経営統計学基礎B第14回

今年最後の授業でした。
どこで時間配分を間違えたのか、仮説検定まで行きませんでした。
興味のある人は、経営統計学応用を受講してください。
今日の話題、試験に出します。

本日の授業内容
1.比率の区間推定

  • 例えば、選挙での出口調査を考える。ある候補者に投票したと答えた人の比率(相対度数)はどの程度信頼できるのであろうか?
  • 新聞などの世論調査(現内閣支持率など)では、サンプル数を明記していないことがあるが、標本から得られた支持率の信頼区間は、サンプル数に依存する事を覚えておこう。
  • 補足:母集団(全投票者)の母比率(ある候補者の得票率)をpとした時、標本数 n の標本内の得票数が成功確率 p、試行回数 n の2項分布に従う事が仮定されている。


2.課題9

  • 課題7.xlsのsheet2にある標本から、1の出現する母比率pを区間推定せよ。


以上。

経営工学B第12回

本日の授業内容

1.機械配置問題

  • 顧客が待たなければならない確率を小さくしようと思えば、サービスの能力を向上させなければならない。その為に、窓口の数を増やすことは手っ取り早い方法であるが、当然、それには設置のためのコストの他、ランニングコスト(維持費)もかかる。
  • ここでは、2種類のロス(損失)を考え、それらの合計を最小にするように窓口の数を最適化する。
  • 1つは、窓口がふさがっていて、得られるはずの利益機会を失う損失(サービスが遅れることによる損失)。もう1つは、窓口が使われていない(遊んでいる)事による損失である。
  • これら損失を、M/M/Sの言葉で表現して、窓口の数を変えながら、損失の合計が最小になる数を探る。


2.運送会社におけるフォークリフト作業員数問題

  • 作業員の時間給は1600円、トラックが稼動することによる利益は4000円/1台/時間とする。観測時間500分でトラックの到着台数は50台であった。また、トラックの1台あたりの平均荷役時間を15分とする。この時、作業員が遊休することによる損失と、トラックが運休することによる損失の合計を最小にするような作業員の数を求めよ。

以上。

経営統計学基礎B第11回

本日の授業内容

1.統計的推測

  • 統計的推測とは、数の非常に大きい(理想的には無限大)母集団から有限個の標本無作為抽出(ランダム・サンプリング)し。標本の情報から母集団の統計的性質(平均、分散など)を推測すること。例えば、全国約3000万世帯から8000世帯を抽出して家計調査を行い、そのデータから全国平均などを算出すること。
  • 統計的推測には、点推定、区間推定、仮説検定がある。
  • 例えば、壺の中にある割合pで赤玉と白玉が入っているものとする。このとき10回の復元抽出の結果 x_1,x_2,...,x_{10} から(ここで、x_i=0(白) or 1(赤))壺の中身(赤玉の割合p)を推測する問題を考える。
    • 点推定:pの推定値を例えば、x_1,x_2,...,x_{10} の平均値とする。
    • 区間推定:例えば95%以上の確率で L \le p \le Uであるような L,Ux_1,x_2,...,x_{10} から求める。
    • 仮説検定:もっともらしい仮説(帰無仮説)(例えばp=0.5) とそれに対する対立仮説 (例えばp \neq 0.5)を立て、どちらか一方を選択する。

2.点推定

  • 点推定とは、母集団の母数(母平均、母分散、母比率など)の値を標本の集計から推定すること。

母平均 \mu定量を標本平均 \mu とする。
母分散 \sigma^2定量を標本の不偏標本分散
S^2=\frac{\sum_{i=1}^{n}(X_i-\mu)^2}{n-1} とする。

  • 二項分布に関する推定

赤玉の出た相対度数を母比率(成功確率)pの推定量とする。

  • 区間 [a,b]の一様分布に関する推定

最尤法による推定量最尤推定
a=min(x_1,x_2,...,x_n)
b=max(x_1,x_2,...,x_n)
と、モーメント法による推定量
a=\mu-\sqrt{3S^2}
b=\mu+\sqrt{3S^2}
がある。

3.課題7

  • 課題7.xlsを教材フォルダーからコピーしてsheet1、sheet2、sheet3に書かれている標本のデータから母数を点推定せよ。


以上。

積分学第11回

本日の授業内容

6.6 重積分の変数変換
6.6.1 1次変換による変数変換(続き)

  • 問題6.6.2(4)を解説。残りを各自で。

6.6.2 一般の変数変換

  • 座標系のとり方は、極座標や円柱座標以外にも、放物線座標、楕円座標、双曲線座標など問題に応じて工夫されている。これらを総称して、曲線座標という。
  • 極座標系では面積要素は簡単に求められたが、一般の曲線座標ではどのようにして求めればよいだろうか。

2次元曲線座標 (u,v)x=x(u,v)y=y(u,v))では、
面積要素 =|J|dudv
J=\frac{\partial (x,y)}{\partial (u,v)}=\begin{vmatrix} \frac{\partial x}{\partial u} & \frac{\partial x}{\partial v} \\ \frac{\partial y}{\partial u} & \frac{\partial y}{\partial v} \end{vmatrix}

  • 問題6.6.5を解説。残りの明代は各自で。


以上。

経営工学B第11回

本日の授業内容

1.有限呼源の待ち行列(続き)

  • 前回に引き続き、客の人数にあらかじめ制限がある場合、有限呼源の待ち行列の問題を、窓口の数が複数の場合に拡張した。

2.課題

  • 機械が全部で20台あり、修理工は3人であるとする。(延修理時間)/(延運転時間)=0.1の時、故障中(修理中も含む)の機械の数の平均、休憩中の修理工の数の平均を求めよ。


以上。

積分学第10回

本日の授業内容
第6章 多変数関数の重積分
6.4 無限領域での重積分(続き)

  • 問題6.4.2(1)を解説。(2)は各自で。
  • 問題6.4.3簡単に解説。答えを出しておくこと。

6.5 極座標による重積分

6.5.1 極座標と領域

  • 極座標については定義のみ。残りは省略。

6.5.2 極座標による重積分

  • 多重積分を、累次積分(1変数の積分を複数回行うこと)に帰着出来ることはすでに学んだ。これは、領域の細分化を工夫することでもある。この際、x軸y軸に平行な直線を境界とする矩形で細分化するのが常に最適であるとは限らない。
  • 極座標や、円筒座標のような曲線座標系を利用することによって、実行しやすい形に累次積分を変形出来る場合がある。
  • この際、被積分関数を変換するだけでなく、小領域の面積(体積)の全微分(近似)である面積要素も変換されることに注意しよう。
  • 問題6.5.3(4)解説。 問題6.5.3(1)(2)(3)、問題6.5.4は各自で。

6.6 重積分の変数変換

6.6.1 1次変換による変数変換

  • ここでは、斜交座標を利用することにより、実行しやすい形に累次積分を変形することを考える。積分変数は1次変換される。
  • 面積要素には、ヤコビアン(1次変換の行列式の絶対値)が掛けられることに注意する。

以上。

経営工学B第9回

本日の授業内容

1.有限呼源の待ち行列

  • 今まで勉強した待ち行列モデルでは、客の数(呼源)に制限がないと仮定したが、その仮定があまり現実的でない場合もある。ここでは、呼源の数と窓口の数に大きな開きがない場合を扱う。
  • 例えば、新生児室を担当する看護師さんを考える。担当している新生児の数は決まっている。この場合の到着率は、新生児に何らかの要求が生じて呼ばれる(泣かれる)ことである。サービスとは、もちろん新生児の要求を満たすためのお世話である。
  • この問題では、1/\lambda = 平均到着時間間隔 =(お世話が終わってから、次に泣き始めるまでの平均時間)となることに注意する。


2.課題

  • 機械が全部で4台あり、修理工は一人であるとする。(延修理時間)/(延運転時間)=0.1の時、機械休止率=(休止中の機械)/(機械の総数)を求めよ。この問題では、\rho = (平均サービス時間)/(平均到着時間間隔)=(延修理時間)/(延運転時間)=0.1と考えよう。
  • 有限呼源の問題の応用を考えよ。

以上。